太田西ノ内病院 泌尿器科紹介

医師四年目泌尿器科専攻二年目
星誠二

私は平成二十四年度に福島県立医大を卒業し、福島県内の市中病院での初期研修を経た後、平成二十六年度に福島医大に入局し、後期研修医二年目として平成二十八年四月から太田西ノ内病院で勤務をしています。病院紹介ということですが、医学生、研修医の先生方が気になることは(自分もそうでしたが)、自分がどのくらいの症例を診るか、臨床、手技、手術などに関してどのような教育が受けられるかということだと思います。病棟診療、手術、外来診療、救急の四項目について、後期研修医の視点から当院の魅力を紹介いたします。

@病棟診療

太田西ノ内病院は、福島県郡山市にある一〇八九床の大きな総合病院です。泌尿器科医は私を含め四名(指導医三名、専攻医一名)が在籍しており、平均三十〜四十名の入院患者を診療しています。手術、化学療法、感染症、緩和医療など様々な患者が入院しており学ぶことは多いですが、一チームで診療しているので、困ったことがあればすぐに相談できる環境です。

A手術

年間四百件程度の手術があり、指導医の先生方のもと経尿道的手術(TUR-BT、TUR-P、TUEB、TUL)、高位精巣摘除術、腹腔鏡下腎(尿管全)摘術、前立腺全摘術、膀胱全摘術などの手術を執刀医として経験することができました。また救急症例も多く精索捻転や外傷後の腎摘術などの症例も経験できます。

B外来診療

初期研修医時代はかかわる機会が少ないですが、外来診療も重要です。
当院には日平均百名程度の患者が来院します。私自身は週二日外来を担当しており、日に二十五〜四十五人程度の患者を診察します。排尿障害や尿路感染、尿路結石、癌患者が主ですが、小児、女性泌尿器、性感染症などの患者も受診し、多くの症例について初診から診断、治療その後の経過まですべて自身で診ることができます。

C救急

当院は市内で唯一の三次救急病院です。泌尿器科というと緊急疾患のイメージ
は少ないかもしれませんが、尿管結石や包茎嵌頓、急性陰嚢症といった症例から尿道損傷、膀胱損傷、腎損傷などの外傷性疾患に加え腎梗塞、ウロセプシスなど緊急を要する症例も多く、泌尿器科として治療方針を決定したり、他科の先生と連携をとったりする場合もあります。

また珍しい症例を経験した場合は学会発表を行っていますし、週に一日は研究日をいただいて大学で実験の手法や考え方を勉強する機会をもうけており、学術的にも成長できる機会があります。

おわりに

当院は泌尿器科医としての基礎を築くうえで魅力の多い環境だと思います。泌尿器科に興味がある医学生、研修医の先生がいればぜひ見学に来てください。