福島県立医科大学医学部 泌尿器科学講座
〜関連病院 竹田綜合病院の紹介〜
はじめに

私は平成22年に福島県立医科大学を卒業し、市中病院での2年間の初期研修を経た後、平成24年に福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座に入局しました。現在は、医師としては9年目になりまして、平成30年4月からは関連病院の竹田綜合病院泌尿器科で勤務しております。竹田綜合病院は、福島県の西側の会津地方にあり、この地方の中核を担っている総合病院です。今年でちょうど創立90周年を迎える、歴史の深い病院でもあります。

今回、福島県立医科大学の関連病院の一つである当院の紹介ということで、特に”後期研修医の研修病院としての魅力”に焦点を絞ってご紹介していきたいと思います。

@病棟診療

竹田病院泌尿器科は現在、常勤の泌尿器科が4名(指導医4名、専門医1名、専攻医1名)在籍しており、うち2人が福島医大泌尿器科からの派遣になります。この病院は、837床と規模の大きな総合病院であり、その内泌尿器科の病棟患者さんは平均30名前後となっています。主に、悪性腫瘍(腎癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌など)の患者さんが7割近くを占めており、ほとんどが手術を必要としている方です。そのほかに、結石の治療も積極的に行っています。この地域では結石の治療(手術、体外衝撃波)を行なっている施設は限られているため、当院に治療症例が集まってきます。その他、尿路感染症(結石関連含む)や腎外傷といった救急患者さんの入院も比較的多く、積極的に治療にあたっております。疾患の多様さという意味では、後期研修医が経験すべき症例の大部分を経験できる環境です。また、指導医の先生方も病棟診療に携わっていますので、不明な点はどんどん質問できる体制になっていること魅力かと思います。

A手術

当院では、会津地方の中で積極的に手術を行っている病院であり、年間約700例前後の手術症例があります。悪性腫瘍手術(腎癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌など)、尿路結石症などがほとんどですが、その他にも前立腺肥大症の手術なども多くあります。後期研修医としては、経尿道的手術(TUR-BT, TUR-P, TUL)や、前立腺生検、腹腔鏡手術(腹腔鏡下腎摘除術など)といった手術を、段階的に指導しながら経験できます。また、ロボット支援手術も積極的に行っているため、より経験のある先生方にとっても魅力的かと思います。

B外来診療

後期研修医にとっての外来経験は、非常に大きなウエイトを占めると思います。というのも、初期研修医時代は救急診療には積極的に携わるものの、各科のより専門性の高い診療に携わる機会はほとんどありません。そのため、手術症例一つとっても、術前にどのようにマネージメントされるか、また術後の経過をどのように追っていくかなどを経験できる外来診療は大変貴重です。外来診療は、一人一人がそれぞれ自分の外来を割り当てられており、責任を持って診療する形をとっています。もちろん、診療の中で不明な点は積極的に指導医に質問できる体制もとっていますので、そこの心配はほとんどありません。

C救急診療

当院は2次救急病院ですが、毎日多くの救急患者さんが受診されます。泌尿器科分野では、主に尿路感染症(結石関連含む)が多いですが、その他に急性陰嚢症(精索捻転症、精巣上体炎など)、腎外傷など、泌尿器科的緊急疾患の患者さんもいます。後期研修医にとって、特に泌尿器科的緊急疾患の対応は、早期に習得すべき経験の一つです。また、救急診療において他科との連携も非常にスムーズであり、一人の患者さんに包括的な診療を行える体制が確立されています。

おわりに

当院は、病棟・手術・外来いずれも症例数が多く、後期研修医の勉強する施設としては魅力的かと思います。また、福島県立医大病院との連携もあり、稀少な症例などは相談できる環境にもあります。興味のある方は是非見学にいらしてください。

寿泉堂綜合病院

(竹田病院手術室)

(竹田病院泌尿器外来)