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随想録

臨床泌尿器科編集後記Vol.71.No.9, 2017

 新学期になると医学部新学年の学生講義が始まります。昨年までは3年生の後期と4年生の前期に泌尿器科の講義を行ってきたのですが、今年はカリキュラムの変更で、3年生と4年生いずれも前期に講義をしています。私自身を学生に覚えてもらうこと、そして泌尿器科の良さをわかってもらうため、ほとんどの講義は自分で心を込めて行うようにしていますが、さすがに2学年同時期に行うのは大変です。3コマ続きの講義日もありましたが、講義の終了後には魂を吸い取られたようにへとへとになりました。(ちなみに私の講義では寝る学生はほとんどいません。)

 泌尿器科の最初の講義(泌尿器科学総論)の時に、必ず医学生に聞くことがあります。「泌尿器科ってどんなイメージ?」もちろん模範解答があるわけではないし、心地良い回答が返ってくることは期待していません。しかし、今年の3年生4人(いずれも男子)の答えは以下の通りでした。“あそこ”“イチモツ”“マイナー”“地味”。

 医学生や研修医に対して、いかに泌尿器科のイメージを向上させるか、お悩みの先生もいらっしゃるのではないでしょうか?泌尿器科の“泌”は内分泌の“泌”ですし、 “尿”は尿路の“尿”ですから、ぴったりな名前なのですが、何となく学生にとっては怪しげに思えるのかもしれません。全国一斉に大学院大学化が進んだ時に、多くの大学が、腎泌尿器科、腎泌尿器外科などと講座名を変更されたと思います。何とかイメージアップに取り組まれた各講座のご苦労の跡が見受けられます。

 医学部3年生の講義の翌日、地元の高校に出前講義に行きました。約60名の高校生の前で、泌尿器科学とロボット支援手術の話をしました。講義の初めに、高校2年生の男子生徒2人に、前日医学部3年生にした同じ質問をぶつけてみました。なんと彼らの答えは“おしっこのトラブルで悩んでいる患者さんを治す科”。“ロボットで手術をしている科”でした。昨年末に本学で行った、県内高校生を対象とした医学部教育体験学習会での私の講演が、(自分で言うのも何ですが)好評だったらしく、昨年から今年にかけて、県内の高校から講義の依頼が私のところに殺到しています。講座名を変えることも大切ですが、医学部に入る前の“純粋な”高校生に対し、泌尿器科の良さを最大限にアピールし、良いイメージを植え付けることも必要ではないかと信じて、高校生と言えども講義の準備を万全に行い、究極の青田買い?に励んでいる今日この頃です。

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