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疾患のご説明

女性泌尿器科

女性泌尿器科とは?

女性泌尿器科は,女性特有の膀胱や尿道、性器のさまざまな不具合を診断治療する分野です。
腹圧性尿失禁や、膀胱瘤・子宮脱・直腸瘤といった骨盤臓器脱を主に診療しています。

 

腹圧性尿失禁とは?

これは、おなかに力が入った時に不意に尿が漏れてしまうものです。たとえば咳、くしゃみ、ジャンプ、重いものを持ち上げるなどの動作で腹圧が上昇し、この圧が膀胱にも伝わって尿漏れを生じます。このような尿失禁では,膀胱の出口にあたる尿道の“しまり”が悪くなっています。そもそも尿道はおしっこをする時以外はぴたっとしまっていて,たとえ急激に腹圧が上昇する状況にあっても尿をもらさない巧妙な構造になっています。この機構が様々な原因で破綻すると、腹圧性尿失禁が生じます。

 

腹圧性尿失禁の治療

腹圧性尿失禁の治療は、保存的療法と手術療法に分けられます。保存的治療には飲み薬や骨盤底筋体操などがありますが、薬はあまり効果は期待できません。基本は骨盤底筋体操で、腹圧上昇時にうまく尿道周囲の筋肉を収縮させることができれば、尿失禁量の減少が期待できます。ただし、これにはコツと根気が必要です。保存的治療が奏効しない場合は手術療法が選択されます。この手術方法はお腹を切ったりするような大きな手術ではありません。膣を切開し、尿道の下にポリプロピレン素材でできたメッシュ状の細いテープを挿入するだけのもので、1時間程度で終わります。この手術は特に膀胱機能が弱い場合、術後に排尿障害を起こすことがあり、当科では術前に膀胱機能を評価するなどして慎重に適応を検討しています。

 

骨盤内臓器脱とは

主に出産が原因で骨盤臓器の支持機構が破綻して、膀胱・子宮・直腸といった骨盤臓器が膣の入口から飛び出てきてしまう状態を指します。はじめは陰部の不快感や、イスに座るとボールの上に座っているような感じがするといった症状から始まり、ひどくなると尿失禁・頻尿・排尿困難感・便秘といった様々な症状が出てきます。更にひどくなると飛び出てきた臓器を手で戻さないと排尿できなくなることもあります。

 

骨盤内臓器脱の治療

軽度の脱であれば骨盤底筋体操で脱の進行を予防することができますが、そうでない場合はリングペッサリーを膣に挿入する方法や手術が適応になります。手術を行う場合、低侵襲かつ高い治療効果を目的に、ポリプロピレン素材でできたメッシュ状のシートを使用するTVM手術が主流になっています。これは主に膣内を操作する手術であるため膣粘膜は切開しますが、お腹を切る必要はなく美容的にも優れた術式です。当科でも早期にこの手術を取り入れ、高い治療効果を得ています。出産可能な若い方や、膣の炎症などでTVM手術が適応にならない方にはその他の術式を検討します。術後に排尿障害や尿失禁といった合併症を起こすことがあるので、当科では術前に膀胱機能や尿道機能を検査し適応を十分に検討しています。

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