HOME疾患のご説明 > 外傷

患者さまへ 〜診療のご案内〜

疾患のご説明

泌尿器外傷性疾患について

@ 腎損傷

交通外傷や転落、スポーツによる腰部の打撲などで腎臓を損傷することがあります。症状として血尿や背部のつっぱり、痛みなどを認めます。腎臓は血流の豊富な臓器であるため、多量に出血する可能性があります。そのため、入院加療が必要となります。血液検査、CT検査を行い、損傷の程度を評価します。軽度の損傷であれば、ベッド上で安静にしていただき保存的に経過を見ることもできますが、中等度〜高度の損傷の場合には細いカテーテルを用いて出血部位の塞栓術(止血術)を行います。塞栓術でも出血のコントロールが困難な場合には損傷した腎臓を摘出する必要があります。

 

A 膀胱損傷

膀胱は骨盤内に存在し、空の状態では外力を受けにくいのですが、尿が充満しているときに強い外力がかかると破裂することがあります。症状は血尿や下腹部痛、排尿困難などで、診断は逆行性尿道造影やCT検査などで行います。損傷の程度によって、膀胱留置カテーテルによる保存的治療で治癒可能な場合と、手術による膀胱の修復が必要な場合があります。

 

B 尿道損傷

膀胱から尿の出口までを尿道と言います。男性では女性より尿道が長いため、尿道損傷を来たすのはほとんどが男性です。転落による会陰部の打撲や、骨盤骨折に伴い発症します。症状は血尿や会陰部の痛み、皮下出血などがあり、完全に断裂した場合は排尿ができなくなります。レントゲン検査や造影検査で診断をします。まず膀胱留置カテーテルを挿入しますが、完全断裂の場合は留置困難であることも十分に考えられます。その場合には下腹部より膀胱に直接カテーテルを留置(膀胱瘻)します。全身状態が落ち着いたところで尿道再建術を行うこともあります。

 

C 陰茎折症

勃起時に性交や自慰、寝返りなどで急激な外力が加わった際に、陰茎海綿体白膜が損傷する事で発症します。症状として痛みや陰茎の弛緩、出血による腫れや変色などを認めます。損傷した陰茎海綿体白膜を縫合して治療します。

 

D 精巣損傷

精巣は陰嚢の中にありますが、体外にあるため損傷しやすい臓器です。打撲などが原因で、強い痛みや、急激な陰嚢の腫れ、嘔吐や血圧低下などが起こります。程度が軽い場合は保存的に経過を見ますが、損傷がひどい場合は手術で精巣を摘除することもあります。

ページの先頭へ