患者さまへ 〜診療のご案内〜

疾患のご説明

ED

勃起不全(Erectile Dysfunction:ED)とは

日本性機能学会が定めたEDの定義では、「性交時に有効な勃起が得られないために満足な性交ができない状態」で、「性交のチャンスの75%以上で性交が出来ない状態」とあります。

 

疫学

日本での調査によれば、中等度、重度のEDで悩む30-79歳の男性患者さんは、約1130万人と推定されています。高齢化が進むにつれて、今後ますます患者さんの数は増えると思われます。

 

原因

加齢や喫煙、肥満の他、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、うつ病、外傷、精神的・肉体的ストレスなどが挙げられます。また、他の病気に対する治療薬が原因になることも知られています。

 

診断

EDの問診票を記入していただいた後、症状などについてお話を伺います。引き続き、EDを引き起こすような病気がないかどうか身体検査を行います。必要に応じて、エコー検査、血液検査、心電図検査を追加いたします。

 

治療

糖尿病や高血圧症などがあれば、治療が必要です。生活習慣の改善(食事内容やアルコール摂取量の見直し、適度な運動、禁煙など)も大切なことです。薬剤が原因と思われる場合には、可能であれば薬の変更や減量を行います。精神的ストレスが原因の場合、治療にパートナーの協力が必要なこともあります。これらを行ったうえで、PDE5阻害剤という勃起不全治療薬の使用を考慮します。他の治療として、薬剤を陰茎に注射する方法や、勃起補助具を利用した治療、手術療法を行っている病院も一部ありますが、当科では行っていません。

 

PDE5阻害剤について

シルデナフィル(商品名:バイアグラ)、バルデナフィル(商品名:レビトラ)、タダラフィル(商品名:シアリス)の3種類が処方可能です。基本的な作用メカニズムは同じですが、各薬剤で細かな違いはあります。副作用として、頭痛、顔面紅潮、消化不良、鼻づまり、視覚異常、持続勃起症、背中の痛み、などが報告されています。これらの薬では、飲み合わせの悪い薬があるので注意が必要です。たとえば、狭心症治療薬である亜硝酸剤やある種の不整脈治療薬を内服している方がPDE5阻害剤を内服すると、死に至る重篤な副作用が出現する可能性があるため、使用が禁止されています。詳しくは担当医にご相談下さい。

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