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疾患のご説明

男性更年期、LOH

Late-Onset Hypogonadism(LOH)症候群:男性更年期について

病態・疫学

女性の閉経に伴う急速な女性ホルモン低下によって更年期障害が生じることはよく知られています。近年、男性でも男性ホルモン(テストステロン)の低下により女性更年期と類似した症状が出現することが分かってきました。しかし、男性更年期障害の病態は複雑で、まだ十分に解明されていません。

 

症状

前期更年期症状としてはストレス性心身症症状の割合が高く、後期更年期症状では男性ホルモン減退症状が前面に出てくることが多いと言われています。

  1. 精神・心理症状:抑うつ、見当識の低下、短気などに伴う気分変調など
  2. 身体症状:内臓脂肪の増加、発汗、ほてり、睡眠障害など
  3. 性機能関連症状:性欲低下、勃起機能低下など

 

検査

  1. 臨床検査:

LOH症候群に伴う特異的な身体所見や検査指標は現在のところはないのが現状です。身長、体重等の理学的所見の他、テストステロン低下に準じて生じると思われる血液検査で異常がないかどうかを調べます。また、質問票にも記載頂き、総合的に診断を行います。

  1. ホルモン学的検査:

LOH症候群における診断は男性ホルモン検査を評価する事から始まります。遊離型テストステロン、テストステロン、下垂体ホルモン、副腎ステロイドの血液検査を行い診断します。

 

治療

  • 男性ホルモン補充療法(ART)

LOH症候群と診断された患者様に対し、テストステロン補充療法を行います。
治療適応基準は下記に示す通りです。
また、既往歴によっては補充療法の適応外となることもありますのでご了承下さい。

 

ホルモン補充療法適応基準
血清テストステロン値(pg/ml)   LOH症候群が疑われる40歳以上の男性
8.5pg/ml<   ホルモン補充療法
8.5〜11.8pg/ml   症状の程度を確認し、ホルモン補充療法を行います。
11.8pg/ml>   ホルモン補充療法は行いません。
症状に応じPDE5阻害薬を投与したり、心療内科と連携します。

 

ホルモン補充療法適応外疾患一覧

前立腺がん
治療前の前立腺がん腫瘍マーカーが2.0ng/ml以上
中等度の前立腺肥大症
乳がん
多血症
重度の肝機能障害、腎機能障害
うっ血性心不全
夜間睡眠時無呼吸

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