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疾患のご説明

男性不妊症

不妊症について

結婚後、避妊をせずに夫婦生活を行っていると1年以内に80%、2年以内に90%の夫婦が妊娠すると言われています。そのため、避妊している期間を除いて、2年以上妊娠しない場合を不妊症と言います。不妊症のカップルは10組に1組の割合で存在し、その約50%に男性に原因があると言われています。

 

男性不妊症の原因

男性不妊症の原因には、精巣における精子形成が障害されている造精機能障害や、精子の通り道に異常がある精路通過障害のほか、射精障害、性交障害などがあります。造精機能障害には、特発性・ホルモン異常・染色体異常・精索静脈瘤などが挙げられます。

 

検査・診断

当科を受診いただきましたら問診、診察、精液検査を行います。精液検査にて異常が認められた際には、ホルモン検査のための採血や、必要に応じて染色体検査などを行います。また、身体に異常を認めないかどうか判断するため、精巣の大きさ、精索静脈瘤の有無などを確認します。

 

治療法

@ 無精子症

精液に精子が無い場合を言います。これには精巣で精子が十分に出来ないために精液に精子が無い非閉塞性無精子症と,精巣では精子が十分に出来ているが精子の通り道が閉塞しているために精液に精子が無い閉塞性無精子症があります。しかしながら、精液中に精子が認められない場合でも,精巣内には精子がある場合があります。したがって手術で精巣から精子が回収出来れば,顕微受精で妊娠の可能性があります。精巣から精子を回収する手術を精巣精子採取(testicular sperm extraction:TESE)と言いますが,当科では当院産婦人科と協力して、顕微授精を行うための精子採取を行っております。

 

A乏精子症

精液中の精子が少ない場合です。

  1. 精索静脈瘤

精巣のすぐ上の静脈(蔓状静脈叢)に血液が逆流して静脈が拡張したもので,男性不妊症の原因の一つと考えられています。精索静脈瘤は手術で治療します。乏精子症で精索静脈瘤を認める場合は精索静脈瘤の手術をお勧めします。当科では腹腔鏡下の精索静脈瘤結紮術を積極的に行っています。

 

  1. 精索静脈瘤が無い場合

ホルモンの低下が原因であれば薬物療法により精子の形成が認められるようになります。その他の場合でも人工授精・体外受精といった補助生殖技術(assisted reproductive technology:ART)で治療もできます。

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