研究・学会活動
研究のテーマ
Continence Research Group(コンチネンス・リサーチグループ)
【臨床研究】
難治性過活動膀胱に対する新規治療開発 ― 仙骨刺激療法の研究 ―
頻尿や強い尿意切迫感、切迫性尿失禁を特徴とする過活動膀胱(OAB)は、多くの患者さんの生活の質(QOL)を低下させる疾患です。薬物療法で十分な改善が得られない「難治性過活動膀胱」に対しては、仙骨刺激療法(Sacral Neuromodulation: SNM)が新たな治療選択肢として注目されています。
私たちは、難治性過活動膀胱に対する仙骨刺激療法のさらなる発展を目指し、医工学連携のもとで新規刺激デバイスや評価システムの開発を進めています。また刺激条件の最適化や治療効果予測因子の解析、患者さんの症状改善メカニズムの解明に取り組んでいます。
さらに、尿流動態検査(urodynamic study: UDS)や排尿日誌を用いた詳細な下部尿路機能評価を行い、個々の患者さんに適した治療戦略の構築を目指しています。これらの研究を通して、従来治療では改善が難しかった患者さんに対する、より安全で効果的な新規治療法の実現を目指しています。

下部尿路症状の病態解明と新たな治療戦略の開発
下部尿路症状(LUTS)は、高齢化や生活習慣病と深く関連しています。しかし、その病態には未解明な部分が多く残されています。
私たちは、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、腎移植後、婦人科手術後など、さまざまな背景を持つ患者さんに対して尿流動態検査(urodynamic study: UDS)を行い、膀胱機能の変化や排尿障害の発症メカニズムを研究しています。
さらに、薬物治療効や新規バイオマーカーの探索など、多角的な視点から下部尿路機能を解析し、新規治療薬。治療法の開発を目指しています。
【基礎研究】
黒質網様部−中脳水道周囲灰白質における神経投射に着目したパーキンソン病に伴う過活動膀胱の病態解明
パーキンソン病では、手足の震えや動作障害だけでなく、頻尿や尿意切迫感などの過活動膀胱症状が高頻度にみられます。しかし、その発症メカニズムは十分には解明されていません。
私たちは、脳内で排尿を制御する「黒質網様部(SNr)」「中脳水道周囲灰白質(PAG)」に着目し、黒質からPAGへ投射する神経回路が排尿反射を抑制する重要な役割を担っていることを明らかにしました。さらに、この神経回路の機能が低下すると、膀胱過活動が引き起こされることを動物実験で証明しました。
本研究は、パーキンソン病に伴う過活動膀胱の病態解明につながる成果であり、将来的には脳神経回路を標的とした新たな治療法開発への応用が期待されます。




