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研究・学会活動

学会・セミナー参加報告

第52回日本癌治療学会に参加して

石橋 啓

 8月28日〜30日に横浜で開催された第52回日本癌治療学会に参加してきました。今年の癌治療学会学術集会の会長は本学の器官制御外科学講座の竹之下教授が会長でした。そして今回のメインテーマは本学理事長兼学長である菊地臣一先生が常に口にされている言葉「愚直なる継続」でした。本学の学生であれば入学式には必ず学長からこの言葉を贈られており、私達も常に胸に刻んでいる言葉でもあります。そして竹下会長もこの言葉を「癌の制圧への真摯なる努力と、震災以後福島が置かれている状況の打破への継続」と位置づけており、その結果大変素晴らしい学会となっておりました。

 本講座からは小島教授のビデオパネルディスカッションの他、柳田先生が腎・手術療法部門、佐藤先生が前立腺・治療とQOL部門、熊谷先生が膀胱・TUR部門、川島先生が前立腺・去勢抵抗性前立腺癌部門、そして石橋は腎・治療部門でそれぞれ発表してまいりました。私の演題内容のほとんどは他の学会でも発表した内容でしたが、聴衆の顔ぶれも他学会と多少異なり、また光栄なことに大阪大学の野々村教授や熊本大学の江藤教授などが質問してくださったこともあり、様々な機会に発信していくことの大切さを実感した学会となりました。柳田先生、佐藤先生の演題でも泌尿器科の学会とはまた違った雰囲気で活発な討議がされておりました。各臓器別癌腫における治療成績の発表がほとんどである中、以前本学の特任教授でいらっしゃった柴田昌彦教授の「免疫逃避機構の克服に向けた新しいムーブメント」と言うセッションは島根大学の免疫学の原田教授の講演などもあり大変興味深い講演であり非常に刺激的でした。

 また、本学会中には学会場の至る所で福島県を紹介するビデオが流されていました。お昼には毎日東北駅弁祭と称して毎日日替わりで東北六県と地元横浜の駅弁が配られており大変な好評を博しておりました。そして展示ブースの入り口近くでは福島県物産展も開かれており日本酒をはじめ、福島県の名産品が数多く販売されていました。また、福島にある手作りジェラートのお店である”honey bee”さんが、福島県産のミルクやいわき産のイチゴを用いたジェラートを提供しておりました。店舗の前の立て看板にはこの”honey bee”さん含め、福島県内の食品を扱うお店は東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故による風評被害で大変苦労されたということが書いてありました。私は初めてここの看板商品ハニー・ビーを食べてみましたが、本当においしくてついおかわりをしてしまいました。気がつくと、”honey bee”さんの店舗前には多くの学会員の方が列を作って並んでおりました。竹下会長の福島復興にかける思いが多くの方々に伝わったのかなと思い、胸が熱くなりました。

 器官制御外科学講座スタッフの方々も本当にお疲れ様でした。今後も、癌の征圧の実現を目標としてともに頑張っていけたらとあらためて感じることが出来た学会でした。

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