HOME > 受賞報告

研究・学会活動

受賞報告

第51回癌治療学会優秀演題賞 受賞

『DNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析による
 淡明細胞型腎細胞癌の予後分類』

柳田 知彦

―今回の受賞と研究概要について―

  日本癌治療学会は,Oncology professionals 17,000名強の会員によって構成される本邦最大のがん臨床系専門学会です.本年度の学術集会において優秀演題賞に選出,表彰されました.

  腎細胞癌は治療に難渋する泌尿器癌の一つです.病理組織や遺伝子発現,さらに臨床経過や分子標的薬などの治療薬への反応性において多様性を示すことが特徴で,このことが臨床の場での判断に苦慮する要因ともなります.今回の研究では,最も治療の機会が多い淡明細胞型腎細胞癌を対象とした網羅的遺伝子発現解析での遺伝子発現様式による分類が,疾患予後と強く相関することを確認しました.この分類からは臨床病理分類とは異なる予後情報を得ることができ,さらに分子標的薬の標的遺伝子の発現においても相違を認めた事から,臨床における予後予測や治療薬選択に応用できると考えられました.この予後分類を規定する数十種類の遺伝子が同定されたことから,この遺伝子の機能解析など,さらに研究を継続・発展させる予定です.

ページの先頭へ