研究・学会活動
受賞報告
日本小児泌尿器科学会 第14回優秀論文賞(学会誌部門)受賞報告
桐花 悠介
このたび、2026年7月23日から25日に東京都新宿区の京王プラザホテルにて開催されました第35回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会において、日本小児泌尿器科学会 第14回優秀論文賞(学会誌部門)を受賞いたしました。
受賞論文は、「DETECTION OF SECONDARY TETHERED CORD SYNDROME DUE TO THE WORSENING OF LOWER URINARY TRACT DYSFUNCTION: A CASE REPORT」(下部尿路機能障害の増悪を契機に診断に至った二次性脊髄係留症候群)で、『日本小児泌尿器科学会雑誌』第34巻第1号(2025年)に掲載された症例報告です。
脊髄疾患の手術後には、成長や手術部位の癒着などによって脊髄が再び牽引され、二次性脊髄係留症候群を生じることがあります。下肢の運動障害だけでなく、排尿・排便機能障害が進行する可能性があり、早期に変化を捉えることが重要です。
本論文では、乳幼児期に脊髄疾患の手術を受け、その後も排尿管理を継続していた小児例について報告しました。膿尿、下腹部痛、導尿量の変化、膀胱変形、膀胱尿管逆流の増悪などを契機として膀胱機能を再評価したところ、膀胱内圧測定で排尿筋過活動と膀胱コンプライアンスの低下を認めました。MRIによる評価と脳神経外科との連携を経て、脊髄係留解除術を実施しました。
術後には、症状に加えて膀胱内圧所見、膀胱変形、膀胱尿管逆流の改善を認めました。本症例は、脊髄手術後の長期管理において、下部尿路機能のわずかな変化を見逃さず、適切な時期に膀胱機能を客観的に再評価して関連診療科と連携することが、二次性脊髄係留症候群の診断と尿路機能の維持・改善につながる可能性を示唆するものです。
今回、日常診療の中で得られた所見を丁寧に検討した症例報告を評価していただけたことを、大変光栄に思います。今後も、小児神経因性膀胱の長期管理において小さな変化を見逃さず、関連診療科と連携しながら、患者さんの腎・尿路機能を守る診療に取り組んでまいります。
本論文の作成にあたりましては、小島祥敬教授、佐藤雄一先生をはじめ、共著者の先生方、関係各科の先生方、ならびに診療にご協力いただきました皆様より、多大なるご指導とご助力を賜りました。心より御礼申し上げます。
今回の受賞を励みに、今後も一層研鑽を重ねてまいります。


