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初期研修医の皆さまへ

泌尿器科医の1週間

研修医 Y先生
月曜日
泌尿器科医の1週間
血液透析時の血管穿刺

 おはようございます。1週間の始まりは透析です。というか日曜日を除いて毎日透析から始まります。スタッフさんが穿刺を始めた頃透析室へ赴き、まずはデータを確認しながら処方を。血管の細い患者さんやグラフトの患者さんは穿刺を頼まれるので、時には冷や汗をかきながら穿刺します。回診したら朝の透析業務は終了。一路病棟へ。

 月曜日はオーベン(指導医のこと)が外来担当のため、病棟独り旅です。病棟での業務は入院患者さんの管理や検査が主です。データや画像を確認しながら点滴や次の検査の指示などを出して、一通り終えたら回診します。シタッパーズとしては、オーベンに指示を出される前に先手を打って出していくことを心がけます(考えが至らない場合や抜けてしまうことも多々ですが…)。回診後は前立腺生検や造影検査などを行い、午前の業務は終了です。

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前立腺肥大症に対するTURP

 月、水、金は午後も透析から始まります。午前同様の透析業務を終えたら手術室へ。大学のような大きな手術は多くないですが、腰椎麻酔や局所麻酔で行う手術が多く、基本的に毎日手術を行っています。今日はTURP(経尿道的前立腺切除術)でした。患者さんにとっては2回目だったせいか出血も少なく、順調に終えることができました。もう1件ESWL(体外衝撃波結石破砕術)もありましたが、こちらもトラブルなく終了しました。

 手術が終わったらオーベンと夕回診をして業務終了です!あ、もう1つシタッパーズにはサマリー書きという仕事があります。入退院のサイクルが早く、次々書かないと自分の首を絞めることになるので(特に月曜日は土日退院の分が溜まる…)、業務終了後にがんばって書いてしまいます。

 

火曜日
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外来風景

 今日も透析からスタートです。月曜日同様の業務を終えたら一路外来へ。

 火曜日は週1回の外来担当日です。当科は予約制ではないため、受付した患者さんを全員診ることになります。人数は特別多くないはずなんですが、どうしても悩んだり迷ったり、検査結果の説明などで時間がかかってしまうことがあります。しかし今の私には患者さん1人1人が貴重な経験ですので、待たせている患者さんには申し訳ないですが、慎重に診察することが大事と思って診療しています(経験豊富な先生は慎重ではないという意味ではありません(汗))。今日も何だかんだで遅くなってしまいました…。急いで昼食を摂り手術室へ向かいます。

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開放手術の光景

 午後は手術です。前立腺全摘や膀胱全摘などの大きな手術はボスも含めて3人で行うため、火曜日に組まれることが多いです。外来患者さんが多いときは手術室へ直行することもしばしば。そして不思議なことに大きな手術がある日に限って患者さんが多いという…。マーフィーの法則でしょうか(汗)。今日は膀胱全摘+尿管皮膚瘻造設がありました。全身麻酔の時は大学から麻酔科の先生に来て頂きます。骨盤内の手術は出血量が多いため輸血が必要になる場合も多く、今回も輸血を行いながらの手術となりましたが、ボスとオーベンの手際が良く比較的短時間で終えることができました。術後のバイタル、血液検査も軽度の貧血以外は大きな問題なく一安心です。しかし術後は急変することもあるので油断はできません。今夜は携帯電話の着信に怯えながら床に着きます…。

 

水曜日
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腰椎麻酔をかけています

 大きな手術の翌日や、重症の患者さんがいる場合などは、透析の前に患者さんの容体を確認します。昨日の手術患者さんのバイタルは落ち着いているようで一安心です。

 水曜日はボスの外来日なので、病棟はオーベンとの二人旅です。業務自体は他の曜日と変わらないですが、2人で行う分早めに終わることが多いです。前立腺生検や造影検査は手分けして効率よく行います。今日は前立腺全摘後の尿道膀胱造影を行いましたが、吻合部からの漏れはなく、尿道カテーテルを抜去することができました。

 午後は例によって透析、手術なのですが、水曜日はシャントPTA(経皮経管血管形成術)が入ることが多いのが特徴です。アンギオ室が1部屋しかないため、他科との兼ね合いで水曜日、金曜日に行うことが多いのです。終わった後に透析する必要がありPTAは午後の早い時間に始めるため、PTAのある日は通常よりも忙しくなります。と言っても今日はPTAはなく、尿管鏡検査とTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)がありました。膀胱壁は薄く、深く削ると穴が空いてしまうため、前立腺の時よりも慎重さが必要です。十分に注意したにも関わらず思った以上に深く入ってしまい肝を冷やしましたが、穴は空いていないようで胸を撫で下ろしました。まだまだ経験が足りないな、と実感する瞬間です。

 

木曜日
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病棟業務

 いつものように透析業務を終えたら一路病棟へ。木曜日はオーベンの外来日なので、今日の病棟は独り旅です。と、病棟業務をしていたらオーベンからの着信。緊急入院です。地域性もあり当院では入院に対する閾値が低く、それほど重症でなくても希望などで入院となる場合がよくあります。本当に泌尿器科だろうか?という患者さんもしばしば…。しかしこれも地域医療を担う病院の良さの1つです。さて、入院となった患者さんは急性腎盂腎炎のよう。検査結果を見ると現時点では幸いにもそれほど重症ではなさそうですが、腎盂腎炎は時に敗血症になる場合もあるので数日間は特に要注意です。

 午後はいつものように手術。今日はTUL(経尿道的膀胱結石砕石術)です(膀胱結石の場合TULと呼んでいいのかわかりませんが…)。結石はパチンコ玉サイズのものが7個(!)ありましたが、膀胱粘膜をつつかないよう気をつけながら何度も結石をつついてうまく細かくすることができました。

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膀胱結石を破砕しています

 手術後は回診して終了!…なのですが、今日は帰れません。当直です。当院は全科当直で、月に2回ほど当たります。当直帯の患者さんは小児、内科、外傷がほとんどで、泌尿器科の患者さんを診ることはほとんどありません。今日は転倒して手掌を切ったという患者さんが来院。創は大きく、圧迫では止血できなかったため、意を決して縫合しました。…ふう、まずまずきれいに縫えたでしょうか。明日以降の処置は外科の先生にお願いすることにします。そして当然救急車もよく来ます。今日は呼吸困難の高齢者が搬送されました。SpO2は80%台。血液検査、胸部X線を見ると…肺炎でしょうか?入院が必要と判断し、当番の内科の先生にコンサルト。快く引き受けて下さり入院となりました。当院は他科との垣根が低くとても働きやすい環境です。さて、患者さんが途切れたので床に着くとします。夜中は呼ばれませんように!

 

金曜日

 結局夜中も数時間おきに起こされたので、ほとんど寝た気がしません…。しかし今日で1週間も終わりです!がんばりましょう!

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腹腔鏡下の腎摘術をやっています

 いつものように透析業務をし、病棟へ。今日はボスの外来日なので、病棟はオーベンと二人旅。週末に指示を出さないように、なるべく週明けの分まで出してしまいます。昨日とは打って変わってスムースに終了。当院は医師の数が多くないため、看護師さんがよく働いてくれます。いつも感謝です。

 そして午後は腎尿管全摘+膀胱部分切除術です。1週間の最後、しかも当直明けに大きな手術が待っておりました。…体力が持つでしょうか(汗)。腎臓は腹腔鏡下に摘出するので、大学から腹腔鏡のエキスパートの先生に来て頂きました。腹腔鏡手術はモニターで全員が同じ視野で視れるので非常に勉強になります。どんどん剥離を進めていき、スムースに腎臓の摘出は終了。次に体位を変えて尿管の剥離に入りますが、こちらは腫瘍部分と周囲の癒着が強く難渋。しかしそこはエキスパートの先生方。大きな出血もなく、無事終了することができました。術後のデータや画像を確認し、回診を終えるとすでに9時近く。ヘトヘトです…。もっと体力つけないとなぁ…。

 さて、1週間お疲れさまでした!今週は全身麻酔の手術が2件、当直もあったりと、中身の濃い1週間でした。患者さんも安定しているようなので、疲れを癒すために今日は軽く街の経済支援をしてきます(おい)。ゆっくり休んで来週もがんばりましょう!

 

土曜日

 …と思いきや、今週末は当番。土曜日も透析があるので通常通り出勤です。金曜日にはしゃぎすぎると朝が辛くなります…。術後患者さんを診て、透析業務を終えたら再度病棟へ。土日は病院自体は休みなので、急変や急患がなければ回診して終了です!

 さて、午後は温泉に行って汗(と昨日の酒)でも流そうかな〜。

 

 入院患者は常に20〜30人おり、手術も多く、透析もあり日中は忙しく動いていますが、大概は時間通りに終わります。それ以降の時間は自分の時間ですので、勉強したり、時には羽目を外したりするのも自由です。仕事だけに追われていると勉強する時間もありませんが、その点当科は有意義に時間を使うことができます。基本的に平日は毎日当番ですが、救急で呼ばれる頻度は多くありません。しかし、時に緊急で処置が必要になることも当然あり、自分の知識と技術をフルに動員して対応することで、臨床の経験を積み重ねることができています。もちろん緊急手術の適否など判断に迷った場合(2011年は精巣捻転が1件ありました)には気兼ねなく上級医に相談することもできますし、翌日に「こんな患者さんが来てこうしました」と報告すれば「こういう方法もあるよ」と教科書だけでないテクニックなども教えて下さるので、さらに次に生かすことができます。

 大学と違いアカデミックな面では劣りますが、その分臨床面においていわゆるcommon diseaseや手術を多く経験することができており、非常に良い研修をさせて頂いております。

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