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初期研修医の皆さまへ

留学先からの便り

目黒了
東京大学医科学研究所 癌防御シグナル分野研究室

この度国内留学の機会を頂き、2021年4月より上記東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野研究室にて研究をしております。中西真先生を教授とする当研究室は数年前に発足し東大医科研でも比較的新しい教室ですが、教員・学生含め20−30人くらいの大所帯です。近年素晴らしい研究成績を挙げており(大学院生も「Cell」などの一流科学雑誌に論文が掲載されました)、研究室の中で比較的年上の私も学生の皆さんに刺激をもらって研究させて頂いております。

 東京大学医科学研究所は港区に位置し東京の中心にありますが、敷地内には緑も多く存在し、春には満開の桜も観覧できました。当研究室のある4号館の入り口付近からは東京タワーも見ることができ、夜はライトアップされた東京タワーを背中に帰路に着きます。

青空の下の東大医科研 施設付近の目黒川両岸に咲く桜

 当研究室では老化細胞のマーカー遺伝子であるp16遺伝子に着目し、世界で初めて、一細胞レベルで老化細胞を検出・解析可能なマウスを作製しました。このマウスは、老化細胞のマーカー遺伝子であるp16遺伝子プロモーターの下流にCreERT2リコンビナーゼ遺伝子を挿入したp16-CreERT2マウスと、CreERT2リコンビナーゼ活性依存的に赤色の蛍光タンパク質であるtdTomatoを発現するRosa26-CAG-lsl-tdTomatoマウスを交配し、タモキシフェン(TAM)依存的に老化細胞を赤色蛍光で標識することで、1細胞レベルの検出・単離が可能となっております。

 私も上記マウスを使わせて頂いており、私の研究テーマは

@ 老年マウスにおける膀胱と前立腺の老化細胞の蓄積部位の所在
A 老化細胞可視化マウスにおけるXenograft膀胱癌モデル・BBN誘導膀胱癌モデル
マウス・STZ誘導糖尿病モデルマウスの作成
B それらのマウスを使用した老化細胞と癌細胞の相互作用、老化細胞と排尿機能の関連の解明
C 老化細胞の除去下における癌の発育状態・排尿状態の変化の観察

研究に励む私

としました。

基礎研究はほぼ素人な私ですが、研究室の皆様に助けて頂きながら研究を進めています。新型コロナウイルス感染蔓延下にも関わらず、このような機会を与えて頂いた中西教授、また小島教授始め医局の皆様に感謝申し上げます。

東大医科研での2年間の留学という大変貴重な機会を無駄にせず、将来の留学後の研究のアイディアにも繋がるよう勉学・研究に励みたいと考えております。

 

 

 

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