HOME > 女性のための泌尿器科外来

女性のための泌尿器科外来

似顔絵

女性のための泌尿器科外来について

先日、当科で手術をなさった患者さんより、退院にあたって感謝のお言葉を頂きましたとともに、次のようなお言葉を頂きました。

「・・・手術を決断して本当に良かったです。
手術前の辛さから解放されました。ありがとうございます。
大学病院を受診するまでの道のりがとても長かったです。
どこで相談すれば良いのか、どこで治療してもらえるのか分からなくて・・・。
私の周りにも同じような症状で困っている人が沢山います。・・・」

尿漏れや骨盤内臓器脱などの症状があっても、どこで相談したらよいか迷われていたり恥ずかしさのあまり泌尿器科への受診をためらっておられる方もいらっしゃると思います。泌尿器科は男性患者さんが多く受診されるところ、と思われている方も多いと思います。しかし、尿失禁や陰部にピンポン玉のような腫瘤を触れる(骨盤内臓器脱など)などの女性特有の疾患も泌尿器科で診断、治療が行えます。

わたしたち、福島県立医科大学付属病院泌尿器科では、新たに「女性のための泌尿器科外来」を開設しました。 
次のような症状でお困りの方は、ぜひご相談ください。

このような症状でお困りではありませんか?

  • 尿がしたくなると間に合わずに漏れてしまう
  • 咳、くしゃみ、重いものを持った時などに尿が漏れてしまう
  • 陰部にピンポン球のようなものが触れる、何か出ている
  • 歩行時などに何か股に挟まっているような感じがする
  • 尿の勢いが悪くスッキリしない
  • 尿が溜まってくると下腹部の違和感が強い、痛い

 

対象疾患

●腹圧性尿失禁

おなかに力が入った時に尿がもれます。重い荷物を持ち上げた時、笑ったり、くしゃみや咳をしたときなどです。重症のかたですと、椅子から立ち上がった時などにも尿がもれてしまいます。

腹圧性尿失禁の原因としては、出産や加齢により骨盤底筋が弱くなり、膀胱や尿道のささえがゆるくなってしまうことが挙げられます。出産経験者の2人に1人が尿もれを経験しています。

軽い症状の方は骨盤底筋体操や内服で軽快しますが、重症な方や、スポーツや外出を積極的におこなう方は手術をお勧めしています。

手術は尿道の下に支えとしてテープを挿入します(TVT手術、TOT手術)。
手術時間は30分程度で入院4-5日です。

 

●切迫性尿失禁

トイレに行きたいと思ったときに我慢できずに漏れてしまいます。例えば、帰宅して玄関のドアを開けているうちにもれてしまう、トイレに座ろうと支度している間に漏れてしまう、等です。

これは過活動膀胱のためと考えられています。過活動膀胱の主な症状は突然の尿意をもよおし、それが耐えがたく、トイレに間に合うこともあれば間に合わないこともありという病気です。

過活動膀胱の原因ははっきりしないことも多いです。40歳以上女性の10人に1人が悩んでいます。

治療としては膀胱の収縮をおさえるお薬を飲むことで症状が改善します。

 

●骨盤内臓器脱

これは先ほど腹圧性尿失禁のところでもでてきましたが、骨盤底筋が弱くなっておこる病気で、女性特有です。膣から骨盤内の臓器(膀胱、子宮、小腸、直腸など)が脱出してくる病気です。

股に何か挟まっている感じがある、入浴時に膣のあたりにピンポン玉くらいの大きさのやわらかいものがふれる、などの症状があります。

20歳から59歳までの女性の約30%、50歳代女性の約55%、出産経験者の約50%の方が骨盤内臓器脱症状で悩んでいます。

実際に膣から臓器が脱出してしまっている場合は内服や体操で改善することは難しく、処置や手術を行う治療となります。
処置としてはペッサリーという器具を用い、脱出している臓器を中に押し込める方法があります。

手術は従来法(膣壁形成手術や膣閉鎖術など)以外に当院ではメッシュを用いた手術も行っております。メッシュを用いた手術には、経腟手術(TVM手術)と腹腔鏡手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)がありますが、当科ではいずれの治療も積極的に行っております。

 

女性のための泌尿器科外来の特徴

現在、片岡、赤井畑、松岡(女性医師)、本田(女性医師)、今井(女性医師)の5名で診療を行っております。

女性医師による診察を希望される方はお申し出ください。

 

外来診察日

●初診の方:毎週月〜金曜日
初診は予約制ですのでかかりつけ医の紹介状をお持ちになりご予約ください。
初診担当医は「女性のための泌尿器科外来」担当医とは異なることがございますのでご了承ください。

●再診の方:毎週水曜日

ページの先頭へ