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手術支援ロボット“ダヴィンチ”について

福島県立医科大学泌尿器科学講座
教授 小島祥敬

手術支援ロボット“ダヴィンチS”導入にあたって

従来の腹腔鏡手術は、患者さんにやさしい低侵襲手術として、さまざまな疾患に対して行われています。しかし従来の腹腔鏡手術の問題点として、特に縫合技術が非常に難しく、手術成績や合併症にむすびつく可能性が報告されています。

この問題点を克服するために開発されたのが、ロボット手術です。術式は従来の腹腔鏡手術と同じですが、手術時に必要とされる操作をロボット支援下に行うため、より正確な操作が可能です。欧米や韓国を中心に、従来の腹腔鏡手術は、現在ロボット手術におきかわっています。特に前立腺がんに対するロボット手術は海外ではすでに一般化され、アメリカでは前立腺がんの手術の約90%以上がロボット支援下に行われています。

術者が操作レバーをあやつることによってサージカルカート上のロボットアームを遠隔操作することができます。ロボットアームには、エンドリストと称する、手術操作を行う鉗子先端部の70度の可動性を有する関節機能および高い自由度を有しており、これにより正確な手術操作を行うことが可能になります。術者は、10倍の拡大視野を得遠近感を有した三次元画像を見ながら手術操作を行うことが可能になります。

私ごとではございますが、約10年前に腹腔鏡下前立腺全摘除術の発祥の地であるフランスのボルドーにあるセント・オーガスティン病院で初めてロボット支援下手術に出会いました。その後日本においてもロボット支援下手術が導入されること念頭に、2008年より米国ペンシルバニア大学に留学し、ロボット支援下手術の勉強をして参りました。そしてその経験を生かし、前任地である名古屋市立大学でロボット手術を立ち上げ、多数のロボット手術に携わりました。
本手術により、手術時間の短縮、出血量の減少、合併症の減少、入院期間の短縮、痛みの軽減、創の縮小を実現しました。ロボット手術は、従来の欠点を補う、安心・安全な医療を提供できるまさに“先進医療”です。

是非、これまでの経験をもとに、患者さんによりよい医療をご提供できればと考えております。

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